2006年10月12日
この資料は、米国バクスターインターナショナルインクが2006年10月4日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
2006年10月4日、米国イリノイ州ディアフィールド発
バクスターインターナショナルインク(NYSE: BAX, 以下米国バクスター)は、H5N1型インフルエンザワクチンの第I / II相臨床試験の一次評価の結果を本日発表しました。この結果は、ヴェロ細胞ベースのH5N1型汎流行インフルエンザワクチンに関する最初の臨床評価を示すものです。
H5N1型汎流行インフルエンザワクチンは、米国バクスター独自開発のヴェロ細胞技術を活用し、不活性化された野生型H5N1 A株/Vietnam/1203/2004を用いて生産されたものです。臨床試験は、オーストリアおよびシンガポールの健康成人270人を対象に、3.75µgから30µgまでの4つの抗原濃度を用いて実施され、このうち7.5µgと15µgの抗原濃度では、アジュバント(ワクチンの免疫反応を増強する物質)を添加した場合としない場合とで評価されました。
「臨床試験の結果に大変満足しています」と、米国バクスターワクチン事業部グローバルR&Dバイスプレジデントであるノエル バレット(Noel Barrett)は述べています。「当社独自のヴェロ細胞技術を活用し、安全で有効な汎流行インフルエンザワクチンを生産するという目標に向かって、重要なステップを踏み出しました」と、語りました。
「候補ワクチンが、広範に分岐したH5N1株を中和する抗体を誘発できることが初めて臨床的に証明されました。より大規模な試験により検証する必要はありますが、一次評価のデータは、インフルエンザが流行する前または流行した際、候補ワクチンがより多くの人々をインフルエンザから守ることができるという可能性を示唆しています」と、米国バクスターバイオサイエンス事業部グローバルR&Dバイスプレジデントであるハルトムート エーリック(Hartmut Ehrlich M.D.)は述べています。
本臨床試験の一次評価の結果により、候補ワクチンのヒトにおける良好な認容性が示されました。すべての濃度における副作用の発現率と重症度は、既にライセンスを受けている準汎流行(または季節性)インフルエンザワクチンについて報告されているものと同等レベルでした。最も多く認められた副作用は、注射部位反応、頭痛、および疲労感でした。
一次評価の結果、候補ワクチンは最低濃度の3.75µgにおいても免疫原性が高く、H5N1に対する抗体の誘導能が高いことが示されました。さらに重要なのは、被験者から採取した血清サンプルの一次分析により、候補ワクチンに含まれる汎流行ウイルスの中和反応、およびHongkong/156/97やIndonesia/05/05を含む広範に分岐したH5N1株に対する交差中和反応が認められたことです。
「一次評価の結果は期待が持てる内容です」と、ミュンヘン大学 感染症・熱帯医学部 国際医療・公衆衛生部門の部門長および本臨床試験の安全性モニタリング委員会の委員長を務めるフランク フォン ゾンネンブルク教授(Frank von Sonnenburg, M.D.)は述べています。「今回確認された細胞培養ベースのワクチンの安全性および免疫原性が第III相試験において認められれば、汎流行インフルエンザに備え、公衆衛生へ多大な貢献ができる可能性があります」と語りました。
米国バクスターは、フランス リヨンで開催される10月11日の世界ワクチン会議において、またオーストリア ウィーンで開催される10月20日の”Influenza Vaccines for the World”の第2回国際会議において、第I / II相試験の一次評価の結果を発表する予定です。また、最終結果は2006年末までに得られる予定です。
さらに、米国バクスターは、候補ワクチンの第III相試験を来年初期に開始し、最終結果を2007年末までに発表する予定です。
米国バクスターは、自社による第I/II相試験以外にも、ヴェロ細胞ベースのインフルエンザ゙ワクチンの開発において米国政府に協力しています。米国バクスターは、Fisher BioServices Inc.とともに米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)に協力し、またDVC LLC, a Computer Sciences Corporation Companyとともに米国保健社会福祉省に協力し、ヴェロ細胞ベースの汎流行および季節性インフルエンザワクチンの開発に取り組んでいます。これらの共同事業は、米国政府との委託契約を基に実施されています。米国バクスターおよびその提携企業は、今後、ヴェロ細胞ベースの候補ワクチンを当局に提供します。その後、2006年末までに米国においてさらなる臨床試験が開始される予定です。
米国バクスターは、米国以外の複数国の政府ともヴェロ細胞ベースの汎流行インフルエンザワクチンについて協議中です。今年前半には、細胞培養ベースのH5N1型インフルエンザワクチン200万回投与分の英国政府への供給を受託しています。
従来の卵ベースの製造法に比べ、細胞ベースのワクチン製造は、多くの利点が期待されます。米国バクスターのヴェロ細胞技術は、動物由来の血清を添加することなく、インフルエンザウイルスを大量に培養し得ます。米国バクスターは、研究開発を通じ、独自のヴェロ細胞技術を用いた、パイロット試験規模および商業規模の「野生型」ウイルスの培養に成功しています。つまり米国バクスターは、卵ベースのワクチン製造のように高増殖性または弱毒性ウイルスの混合(リアソータント)を待たずに、汎流行インフルエンザワクチンを製造する能力を保有しています。
米国バクスターは、独自のヴェロ細胞技術を活用し、季節性(または準汎流行)および汎流行インフルエンザワクチンを開発しています。米国バクスターは、ワクチンを大量生産できる世界最大の細胞培養施設を擁しています。この施設は、生物学的安全性レベル3(BSL-3)による認証を得ているため、「野生型」の汎流行株を活用し、製造スピードを上げることにより、ワクチンの全製造期間を数週間短縮させることができます。また、米国バクスターの技術基盤は、新たなワクチン製剤が必要となる病原株の急速な変化に対応することも可能です。