2007年2月14日、米国カリフォルニア州サンディエゴ、イリノイ州ディアフィールド発
HYLENEX併用により、皮下投与モルヒネの最高血中濃度到達時間を短縮、忍容性も良好
Halozyme Therapeutics, Inc.(Amex: HTI)とバクスターヘルスケアは、遺伝子組換え型HYLENEX(ヒアルロニダーゼ ヒト用注射剤)併用によるモルヒネ皮下投与第III相B臨床試験の結果、プラセボ併用時に比し、HYLENEX併用時のモルヒネの最高血中濃度到達時間に33%の短縮が認められ、安全性と良好な忍容性も示唆されたことを発表しました。
カリファルニア大学サンディエゴ校医学部付属サンディエゴホスピス・緩和ケアの臨床医長であり、本臨床試験の治験統括医師であるジェイ トーマス博士(Jay Thomas, MD, PhD)は、「遺伝子組換え型HYLENEX併用により、モルヒネの最高血中濃度到達時間の短縮が確認されたことは、静脈注射を必要とせず、皮下注射により、鎮痛薬等の臨床効果がより速く得られる可能性があることを示唆しています。さらなる試験により、本試験で確認された良好な臨床的有用性を明確にすることができるでしょう」と述べています。
遺伝子組換え型HYLENEXは、有効成分である遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を含有する液体注射剤です。遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼは、他剤の吸収ならびに拡散促進剤として、および皮下の水分補給を適応として、米国食品医薬品庁(FDA)に承認されています。モルヒネは、疼痛管理に広く使われている薬剤であり、現在、静脈内投与および皮下投与が認められています。
プラセボ対照による無作為化二重盲検クロスオーバー試験「INFUSEモルヒネ試験(INcreased Flow Utilizing Subcutaneously-Enabled Morphine clinical trial)」は、遺伝子組換え型HYLENEX併用・非併用時の皮下投与後モルヒネの最高血中濃度到達時間の測定、静脈内投与後モルヒネの最高血中濃度到達時間の測定、および安全性と忍容性の評価を行うことを目的として実施されました。ホスピス・緩和ケア施設の患者12人を評価可能例として分析し、得られた主な結果は以下のとおりです。
モルヒネの最高血漿濃度(Tmax)に到達するまでの平均時間に統計的に有意な短縮が確認され、仮説が検証されました。モルヒネ皮下投与後のTmaxは、生理食塩水(プラセボ)併用時の13.8分に対し、遺伝子組換え型HYLENEX併用時は9.2分と、最高血漿濃度到達時間に33%の短縮が認められました(p<0.05)。
吸収測定のサンプリング時間に基づき計算した、遺伝子組換え型HYLENEX併用による皮下投与時のモルヒネ総暴露量(4時間までの濃度曲線下面積(AUC))とその活性代謝物は、静脈内投与時のモルヒネの値と同等でした。
最も頻度の高かった有害事象は、軽度の注射部位発赤、発疹、腫脹、および掻痒でした。遺伝子組換え型HYLENEX併用時と生理食塩水(プラセボ)併用時の有害事象データを比較した結果、とくに遺伝子組換え型HYLENEXに関連した毒性は確認されませんでした。
これらの結果は、遺伝子組換え型HYLENEX併用による皮下投与モルヒネの薬物動態指標が、皮下投与モルヒネ単独のそれよりも優れ、静脈内投与モルヒネのそれに近いことを示唆しています。
INFUSEモルヒネ試験の結果は、2007年2月14日から17日にユタ州ソルトレーク市で開催される米国ホスピス・緩和ケア学会(American Academy of Hospice and Palliative Medicine, AAHPM)の年次総会で発表されます。
INFUSEモルヒネ試験の前に、INFUSEラクトリンゲル液(LR)試験が実施されています。INFUSE-LR試験の結果、LR皮下投与前に遺伝子組換え型HYLENEXを投与した場合、LRの流量速度は、プラセボを事前投与した場合に比し、約4倍であることが示されました。また、遺伝子組換え型HYLENEXを事前投与した場合、浮腫の発現頻度はより低く、遺伝子組換え型HYLENEXを事前投与したほうが良いと、(92%の被験者の)治験医師にも被験者(92%)にも判断されました。