2010年4月21日
この資料は、米バクスターインターナショナルインクが2010年4月13日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。
2010年4月13日、カナダ トロント発
バクスターインターナショナルインク(NYSE: BAX)およびニューヨーク長老派教会病院ワイルコーネル医療センターは、軽度から中等度のアルツハイマー病を有する患者を対象としたGAMMAGARD LIQUIDおよびGAMMAGARD S/D(静注用人免疫グロブリン[IGIV])の第II相試験の投与18ヵ月後のデータを発表しました。GAMMAGARDの18ヵ月間継続投与を受けたアルツハイマー病患者における機能および認知を評価した臨床試験の結果を発表するのは、今回が初めてです。
本試験では、ADCS-CGIC(Alzheimer's Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change rating:アルツハイマー病治療研究における臨床症状の改善を示す評価尺度)による機能の評価と、ADAS-Cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale score:認知障害を評価する認知機能下位尺度)による認知の評価を行いました。その結果、投与開始18ヵ月後のGAMMAGARD継続投与群(n=14)は、初期にプラセボを投与された対照群(n=7)より、ADCS-CGICスコアが平均1.36ポイント高いことが明らかになりました(-0.64 vs. -2.0, p=0.011)。また、GAMMAGARD継続投与群(n=14)は、初期にプラセボを投与された対照群(n=6)より、ADAS-Cogスコアの低下が約9.15ポイント少ないという結果が得られました(約6ポイントの低下 vs. 15ポイントの低下, p=0.013)。
この結果は、トロントで開催された米国神経学会(American Academy of Neurology, AAN)の年次総会において、治験責任医師であるDr. Norman RelkinおよびDr. Diamanto Tsakanikasによって発表されました。Dr. Relkinは、ニューヨーク長老派教会病院ワイルコーネル医療センターの記憶障害プログラムディレクターを務める行動神経学者・神経科学者であり、ニューヨーク長老派教会病院ワイルコーネル医科大学臨床神経学の准教授です。Dr. Tsakanikasは、ワイルコーネル医療センターの神経心理学の臨床助手であり、ワイルコーネル医科大学神経学・神経科学部の神経心理学の講師です。本試験は、バクスター、シティグループ・ファンデーション(Citigroup Foundation)、およびワイルコーネル医科大学クリニカル・トランスレーショナル・サイエンス・センター(CTSC)が支援しています。
MRI検査の結果、投与開始18ヵ月後のGAMMAGARD継続投与群では、初期にプラセボを投与された対照群に比べ、脳室拡大が抑制されたことが明らかになりました(6.7% vs. 12.3%, p=0.048)。GAMMAGARD継続投与群における脳室拡大の抑制は、ADCS-CGIC(r=0.523, p=0.018)およびADAS-Cog(r=0.64, p=0.0041)に基づく臨床転帰と相関性が認められました。また、投与開始18ヵ月後のGAMMAGARD継続投与群は、初期にプラセボを投与された対照群に比べ、全脳萎縮率が低いことも示されました(-1.58% vs. -2.24%, p=NS)。GAMMAGARD継続投与群における全脳萎縮の抑制は、ADCS-CGIC(r=0.64, p=0.0041)およびADAS-Cog(r=0.42, p=0.076)に基づく臨床転帰と相関性が認められました。
「第II相試験の認知および機能の転帰と神経画像検査の結果は、より大規模な試験を実施し、研究開発を継続する妥当性を示すものとなりました。現在、第III相試験が進行していますが、それにより、今回の第II相試験の結果が裏づけられ、アルツハイマー病治療におけるGAMMAGARDのベネフィットがさらに明らかになることを期待しています」と、アルツハイマー病共同研究(Alzheimer’s Disease Cooperative Study, ADCS)のDr. Paul Aisenは述べています。
GAMMAGARDの第III相試験「Gammaglobulin Alzheimer’s Partnership(GAP)」は、軽度から中等度のアルツハイマー病を有する患者を対象として、ADCSの会員である米国の35の研究所で実施されています。今後、新たに米国およびカナダの12施設が治験実施施設に加わる予定です。この第III相試験では、18ヵ月間の認知および機能を評価します。また、バイオマーカーおよび神経画像検査により、GAMMAGARDによる病勢進行の抑制効果を評価します。治験依頼者はバクスターであり、ADCSを通して、国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)の資金協力を得ています。
第II相試験では、アルツハイマー病治療の治験として初めて、認知、機能、および神経画像検査のすべてにおいて、統計的に有意な結果が得られましたが、さらにバクスターはこの結果を裏づけるため、現在実施中の第III相試験に加え、より多くの患者を対象とした第III相試験を新たに実施する予定です。
「第II相試験の投与18ヵ月後のデータから前向きな結果が得られました。このデータをさらに強化するため、2つ目の第III試験の実施を予定しています。この第III相試験では、軽度から中等度のアルツハイマー病治療におけるGAMMAGARDの使用について追加のデータを収集し、現在実施中の第III相試験とともに、承認申請のデータを補完します。今後も米国食品医薬品局(FDA)に協力しながら、GAMMAGARDによるアルツハイマー病およびその他の神経疾患の治療研究を前進させていきたいと思います」と、バクスターバイオサイエンス事業部R&Dバイスプレジデントであるハルトムート J. エーリック(Hartmut J. Ehrlich, MD)は述べています。
バクスターは、さまざまな神経疾患の治療におけるGAMMAGARDに関する知見の向上に取り組んでおり、複数の臨床試験を実施しています。現在実施中のアルツハイマー病を有する患者を対象としたGAMMAGARD LIQUIDの第III相試験に加え、多発性運動神経障害(MMN)患者を対象としたGAMMAGARD LIQUIDの第III相試験の症例登録も行っています。また、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)患者を対象としたGAMMAGARD LIQUIDの第III相試験を本年後半に開始する予定です。