後天性血友病の診断

臨床症状と凝血学的検査により診断されます。

  • 臨床症状の確認
    一般的に、出血性疾患の家族歴がなく突然、広範囲におよぶ皮下・筋肉内出血で発症します。出血症状のない場合もあります。
  • スクリーニング検査
    活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が延長、プロトロンビン時間(PT)、出血時間、血小板数が正常の場合、本疾患を疑います。
  • 抗凝固剤の否定
    抗凝固剤投与や採血ラインへのヘパリン混入により、aPTTのみが延長している可能性があります。抗凝固剤の混入が疑われる場合、混入がない条件で再度採血します。
  • 確定診断のための検査
    FVIII活性、インヒビター力価、フォンヴィレブランド因子(VWF)のリストセチンコファクター活性を測定し、ループスアンチコアグラント(LA)の存在を否定して確定診断を行います。外部検査に時間を要する場合、APTTクロスミキシング試験(APTT交差混合試験)により本疾患の鑑別診断を行います。
患者の血漿と正常血漿を混合してもaPTT延長が改善されず(混合試験)、FVIIIレベルが著明に低下しており、ベセスダ法でインヒビターが定量的に存在しており、一方で、プロトロンビン時間(PT)と血小板数が正常で、フィブリノゲン、およびフォンヴィレブランド因子(VWF)を含む他の血液凝固因子レベルが正常であれば後天性血友病の可能性を示すものである。認識しておかなければならない重要なことは、インヒビターが確認できなかったからといって、後天性血友病の診断が排除されるものではないということである。インヒビターの力価が低い場合、混合物を37℃で2時間までインキュベートしないとaPTTは延長しないことがある。さらにベセスダ法では、検査を極めて正確に実施しても、インヒビター、とりわけ後天性インヒビターのin vivoでの力価を低く表示する場合がしばしばである。したがって、臨床症状は後天性血友病を強く示すものであるが、臨床検査所見で合致する所見が得られない場合には、臨床的エビデンスのほうを重視すべきである。

※正常プール血漿の中で、37℃、2時間インキュベートしてFVIIIを50%不活化させるのに必要なインヒビターの量を1BUと定義する。

「後天性血友病の診断と治療法」より抜粋

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