血友病インヒビターについて
血友病インヒビターとは?
血液凝固因子製剤による補充療法を続けていると、血液凝固因子に対する抗体(インヒビター)が発生することがあります。インヒビターが発生すると通常の血液凝固因子製剤の止血効果は著しく低くなり、治療法を変更しなければならなくなります。
先天性血液凝固第VIII(IX)因子欠乏患者において発生するインヒビターは、外来性の第VIII(IX)因子に対する同種抗体です。平成22年度の血液凝固異常症全国調査によると、日本における血友病A又はBインヒビター患者数は94人です。主に関節内出血を起こすと報告されています。
非血友病患者において、血液凝固第VIII(IX)因子に対して自己抗体(主にIgG4)が後天的に発生する状態を後天性血友病と言います。発生率は年間100万人に1.48人と言われています。第VIII(IX)因子活性が低下し、突然の皮下出血・筋肉内出血等の出血症状を呈します。(後天性血友病とは?)
治療は?
一般に、インヒビターがある血友病患者に対する急性出血もしくは手術時の治療として、インヒビターにより阻害された第VIII(IX)因子を迂回して止血を図る「バイパス療法」と、インヒビターを中和するために大量の第VIII(IX)因子製剤を投与する「中和療法」とがあります。また、インヒビターをなくすことを目的とした「免疫寛容導入(Immune Tolerance Induction; ITI)療法」という治療法もあります。
後天性血友病に対しては、止血のための「バイパス療法」、インヒビターの産生を抑制する「免疫抑制療法」を行います。
詳しくはこちらをご覧ください。
「インヒビター保有先天性血友病患者に対する止血治療ガイドライン」(2008年)
日本血栓止血学会学術標準化委員会血友病部会
http://www.jsth.org/committee/ssc01_14.html
「血友病家庭注射療法のガイドライン(2003年版)」
日本血栓止血学会学術標準化委員会血友病部会
http://www.jsth.org/committee/ssc01_03.html
「ホームインフュージョンマニュアル」
第4章 インヒビターとその治療
| 監修: | 東京医科大学 臨床検査医学講座 福武勝幸先生 天野景裕先生 |
| 監修: | 公立大学法人奈良県立医科大学 小児科学教室 嶋緑倫先生 |


