「アドベイト」ファクトシート

米バクスターインターナショナルインクが開発した「アドベイト」は、細胞培養・精製・製剤化のいずれの工程においても、世界で初めてヒトおよび動物由来たん白を全く添加しない新しい製法(プラズマ/アルブミン フリー製法)によって製造された遺伝子組換え型の血液凝固第VIII因子製剤です。

血液凝固第VIII因子製剤について

  • 血友病Aは、血液中の血液凝固第VIII因子が不足して、健常人と比べ止血に時間がかかる疾患です。血液凝固第VIII因子製剤は、血友病Aの患者さんが出血した際、止血するために注射したり、定期的に注射して出血を未然に防いだりする目的で使用します。
  • 現在使用されている血液凝固第VIII因子製剤は、遺伝子組換え製剤とヒト血漿由来製剤の2種類に大別されます。
  • 遺伝子組換え医薬品は、目的とするたん白の遺伝子を産生細胞に組み込み、目的のたん白を産生させ、その後、たん白だけを取り出し、精製して作られます。遺伝子組換え型第VIII因子製剤の場合、第VIII因子の遺伝子を組み込んだ細胞が培養され、培養タンク内で大量の血液凝固第VIII因子が作り出されます。この第VIII因子だけを精製し、安定化剤などを加えて製剤化されます。(遺伝子組換え技術は、医薬品の分野では、インスリンや成長ホルモン、エリスロポエチン、G-CSFなどを作り出す技術として広く使用されています)。
  • ヒト血漿由来製剤は、献血などによって集められたヒトの血液を原料として作られています。
  • 「アドベイト」は遺伝子組換え製剤の中でも、ヒトおよび動物由来たん白(ヒトの血液成分やウシ由来成分など)を使用することによる感染症伝播のリスクを避けるため、細胞培養・精製・製剤化工程のいずれにおいても、これらを添加しない新しい製法(プラズマ/アルブミン フリー製法)により製造されています。現在、このような製法で製造されている血液凝固第VIII因子製剤は、「アドベイト」だけです。

開発の経緯

  • 第VIII因子製剤は従来、献血などによって集められたヒトの血液を精製し、製剤化したものが用いられていました。しかしながら、ヒトの血液にはウイルスをはじめとするさまざまな病原体が入り込むリスクを完全に否定することはできません。
  • このような問題点を解決するため、ヒトの血液を原料としない遺伝子組換え技術による第VIII因子製剤が開発されました。しかし、これまでは、技術的に細胞培養・精製・製剤化の工程においてヒトおよび動物由来たん白(ヒトの血液成分やウシ由来成分など)を使用しなければ遺伝子組換え製剤を生産することができなかったため、理論上、ウイルスに感染する可能性が全くなくなったわけではありませんでした。また、近年、牛海綿状脳症(BSE)や変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)などの新たな感染症が問題化し、遺伝子組換え製剤の製造工程において、ウシ由来成分および血液成分を使用しない製造方法を早急に確立すべきとの提唱がなされてきました。
  • バクスターは、病原体の感染伝播リスクのない製剤を追及するため、さまざまな研究を行い、細胞培養・精製・製剤化工程のいずれにおいても、ヒトおよび動物由来たん白を添加しない製法(プラズマ/アルブミン フリー製法)による遺伝子組換え製剤「アドベイト」を開発しました。

「アドベイト」の利便性

  • 「アドベイト」1バイアルに入っている薬剤の量は、250単位、500単位、1000単位、2000単位の4種類で、溶解液は4剤とも扱いやすい5mLです。
  • 薬剤の溶解には、溶解用のデバイス「バックスジェクトII」を使用します。「バックスジェクトII」は「輸注セット(アドベイト用)」に入っています。薬剤・溶解液のバイアルも小さいため、パッケージそのものが小さく、保管しやすくなっています。
  • 「アドベイト」は凍結を避け、2~8℃(冷蔵庫内)で保存します。ただし、3ヵ月以内であれば、室温(25℃以下)で保存することも可能です。室温保存した場合、使用期限を超えない範囲で、3ヵ月以内に使用し、冷蔵庫に戻さないようにします。

「アドベイト」の供給

  • 2003年に米国、2004年に欧州、2006年に日本において承認されており、2010年7月までに、世界50ヵ国で承認されています。全世界における販売実績は75億単位を超え、世界で最も多く使用されている血友病治療薬となっています。「アドベイト」は、スイスのヌシャテルにあるバクスターの遺伝子組換え製剤製造工場で製造されています。バクスターは、このほか、アメリカのサザンオークスにも遺伝子組換え製品の工場を有し、いずれの工場も徹底した品質管理が行われています。

参考

製品名 アドベイト注射用250
アドベイト注射用500
アドベイト注射用1000
アドベイト注射用2000
一般名 ルリオクトコグ アルファ(遺伝子組換え)
効能・効果 血液凝固第VIII 因子欠乏患者に対し、血漿中の血液凝固第VIII 因子を補い、 その出血傾向を抑制する。
用法・用量 本剤を添付の溶解液5mL で溶解し、緩徐に静脈内注射又は点滴注入する。 なお、10mL/分を超えない速度で注入すること。用量は、通常、1 回体重1kg 当たり 10~30 単位を投与するが、症状に応じて適宜増減する。
承認日 2006年10月20日(250・500・1000 単位)
2010年1月15日(2000単位)
薬価収載日 2006年12月1日(250・500・1000 単位)
2010年4月23日(2000単位)
製造販売元 バクスター株式会社

アドベイト

バクスターの歩み

40周年記念ビデオ

サステナビリティ

バクスターの技術基盤