日本における血友病およびその治療
ファクトシート

血友病Aは男子1万人に約1人の割合で発症する遺伝性の血液疾患で、現在日本には4,317人*1の血友病A患者さんがいると報告されています。血友病患者さんは、そのほとんどが男性ですが、ごくまれに女性に発症する場合もあります*2

血液の凝固作用

  • 血液中には「凝固因子」と言われる12種類のたん白が存在し、その因子が外傷時などの出血を止め、癒合を促します。血友病A患者さんに見られるように、凝固因子が1つでも欠けている場合、複数因子による血液凝固の「連鎖反応」が適切に起こらなくなり、出血が長引きます。

血友病とは

  • 血友病は、血液が凝固するために必要なたん白の欠乏または低下により起こる遺伝性疾患です。
  • 血友病には血友病Aと血友病Bの2種類があり、それぞれ異なる特定の凝固因子の欠乏により発症します*2。血友病Aは血液中に含まれる第VIII因子の欠乏または低下、血友病Bは第IX因子の欠乏または低下により起こります。血友病Aの発生頻度は血友病Bの約5倍です。
  • 血友病は、X染色体を介する伴性劣性遺伝の遺伝性疾患であり、通常は男性に発症します*2

症状および影響

  • 重症血友病A患者さんに現れる主な症状として、内出血、主に筋肉内出血、膝、肘、足などの関節内出血、皮下出血、などがあります*2。出血後、適切な処置が施されなかった場合、激しい痛みや血腫が生じ、また、出血がそのまま放置された場合、四肢または臓器の損傷や生命の危険に及ぶこともあります*3
  • 患者さんは肉体的な障害だけではなく、入院や学校の欠席、欠勤など社会的活動も制限されるなど、QOLが著しく低下する場合があります。
  • 血友病Aの重症度は、通常の平均的な血液凝固第VIII因子レベルを100%とし、血液中に含まれる第VIII因子の凝固活性レベルに応じて百分率で表されます*4。1%未満は重症、1%以上5%未満は中等症、5%以上30%未満は軽症に分類されます。

患者数

  • 世界保健機関(WHO)によると、全世界には40万人以上の血友病A患者さんがいます。日本には4,317人*1の血友病A患者さんがいると報告されています。

治療

  • 血友病A患者さんには、第VIII因子を静脈内に直接投与します*4。第VIII因子の投与により、出血部位の止血をはかり、また、定期的に投与することにより、出血を未然に防ぎます。
  •  第VIII因子製剤にはヒト血漿由来製剤、遺伝子組換え製剤があります。

   

*1 2009年「血液凝固異常症全国調査」
*2 Canadian Hemophilia Society. Introduction to Hemophilia. Education online. Accessed January 2005.
*3 World Federation of Hemophilia. Key issues in hemophilia treatment, part I: products. Education online. 1998. Accessed April 2002.
*4 World Federation of Hemophilia. Hemophilia: facts for families. Education online. Accessed April 2002.

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