後天性血友病
後天性血友病とは?
「後天性血友病」では、第VIII因子の遺伝子は正常です。しかし、患者さんの免疫系(体を細菌やウイルスの攻撃から守るシステム)が患者さん自身の第VIII因子に対する抗体を産生し、その働きを阻止してしまいます。このように第VIII因子本来の働きを抑制してしまうため、この抗体を「インヒビター」(英語で「抑制するもの」「妨げるもの」という意味)といいます。「後天性血友病」のことを「後天性インヒビター」ともいうのは、このためです。インヒビターは、先天性の血友病患者さんでも数%の患者さんにみられますが、元来、血友病でない患者さんに起こるため、「後天性」といいます。
血友病との違いは?
遺伝はしません。患者さんご自身、ご両親、ご兄弟、お子さんの第VIII因子の遺伝子は正常です。
男性、女性いずれにも発症します。
治療が奏効した場合は、しばらくの間、検査や薬剤の投与を行うことで治療は終了します。
原因は?
大変まれな疾患です。100万人あたり1人の確率で発症するといわれています。
原因は不明ですが、次のような方にみられることが報告されています。しかし、このような疾患や状態が無くても発症することがあります。
- 関節リウマチなどの自己免疫性疾患
- 天疱瘡などの皮膚疾患
- 分娩後
- がん(術後を含む)
- 白血病
- 薬剤投与後(抗生物質など)
年齢的には、高齢者の方に多くみられる傾向があります。
症状は?
「出血」が主な症状です。
- 強くぶつけた記憶がないのに広範囲にあざができている
- 血尿が出る
といった症状から
- 手や足が筋肉や関節の出血で広範囲に赤黒く腫れている
- 喉の周囲の出血で呼吸がしにくい
- 歯を磨いていて血が出やすい、止まりにくい
などさまざまです。
治療は?
原則として、入院で行います。
大きく次の2つの目的で治療を行います。
- 出血症状の改善
- 原因であるインヒビターの除去
患者さんの状態をみて、医師がその患者さんに最も適した治療を行います。
2つの治療を並行して行うこともあれば、どちらかのみを行う場合もあります。
治療法などをわかりやすく紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
「後天性血友病とは」
| 監修: | 名古屋大学医学部附属病院 輸血部 教授 高松純樹先生 |
