食事療法について

腎疾患の初期段階から食事療法を行うことにより、病気の進行を遅らせることができます。
食事の成分の中で注意深く管理しなければならないのは、たんぱく質、カリウム、塩分、リン、水分です。
食事指導の内容は人それぞれ異なりますので、主治医や栄養士が、あなたの検査データなどをもとに指導してくれます。
なぜ、たんぱく質のコントロールが必要なのですか。
たんぱく質には2種類あります。
1.牛乳、肉、魚、卵などの動物性たんぱく質
2.野菜、パン、ご飯などの植物性たんぱく質
大切なことは、両方バランスよくとることです。 とりすぎは体内に老廃物を蓄積することになりますし、摂取不足は体重や筋肉の減少をもたらします。
なぜカリウムのコントロールが必要なのですか。
腎臓に障害があると、カリウムが体内に蓄積されてきます。血中のカリウム濃度が高くなりすぎると非常に危険で、不整脈が起きたり心臓が止まることさえあります。
カリウムは、たんぱく質の多い食品、果物、野菜に多く含まれています。
なぜ塩分のコントロールが必要なのですか。

塩分を多く摂取すると喉が渇き、水分が欲しくなります。また、塩分は血圧のコントロールの上でも重要です。
食事による塩分の摂取を制限する必要があります。
薄い味に舌が慣れるまでしばらく時間がかかりますが、慣れることが大切です。
なぜ、リンのコントロールが必要なのですか。
リンは体内のカルシウムと結合して、骨や歯を丈夫にします。腎機能が衰えると、血中にリンがたまり、体はバランスを保つために骨からカルシウムを取り出すため、骨がもろく弱くなります。従って、リンの摂取量を減らすことが必要です。
食事から完全にリンを取り除くことは不可能なので、医師が処方した薬剤を服用することになります。薬は毎食後すぐに服用することが大切です。この薬は、食物中のリンと結合し、腸管から吸収されないようにします。結合したリンは便として排泄されます。
なぜ、水分のコントロールが必要なのですか。
腎機能低下の段階によって、尿量の変動がみられます。
腎不全期には、尿中の毒素を体外に出そうとして多尿になります。また、尿の出が悪くなると、水分が体内にたまり、むくみや息切れなどが起こることがあります。
なぜ、エネルギーのコントロールが必要なのですか。
人間が生きていく上で、エネルギーは必要不可欠なものです。 食欲が乏しく、エネルギーの摂取が十分でないと、体に蓄えた脂肪や筋肉組織がエネルギーとして燃焼され、体重が減ってしまいます。毎日十分なエネルギーを摂取することが大切です。
食事がうまくできているかどうかの判断は?
食生活がうまくできているかは、体重の増減、 血圧測定および血液検査が最も有効な指標となります。定期的に血液を採取して、カリウム、ナトリウム、リン、尿素窒素、およびカルシウムの濃度を測定します。必要に応じて食事の内容を変更します。

食事療法の内容は病気の状態や年齢、活動の具合など、人それぞれ異なります。また、病気の進行具合によって、制限の内容もかわってきます。
主治医や栄養士に定期的に相談し、自分に合った食事療法を続けることが重要です。
食事療法を継続するコツ


ポイント1 たんぱく質を含まない食品を上手く利用する。
(例)たんぱく質を多く含む肉、魚、卵などは、たんぱく質を含まないこんにゃく、きのこなどと組み合わせて調理し、満腹感を得る。
ポイント2 調理や味付けを工夫して、おいしく食べる。
(例)あつあつのてんぷらをレモンで。
からし、唐辛子、わさび、生姜などの香辛料を活用する。
ポイント3 治療用特殊食品を活用する。
(例)たんぱく調整ごはん、でんぷんもち など




