バクスター、腹膜透析治療のための自動腹膜灌流用装置『ホームPDシステム かぐや』で、「IAUD国際デザイン賞2018」金賞を受賞

報道関係者向けプレスリリース

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日本の在宅透析のニーズに応えるAPD機器が、その操作性によって「IAUD 国際デザイン賞 2018」医療福祉部門金賞を受賞

2019年3月5日

報道関係各位

IAUDKaguya
写真:自動腹膜灌流用装置「かぐや」本体

バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:ダニー リスバーグ)は、2019年3月4日(月)にタイ王国バンコクで発表された「IAUD国際デザイン賞2018」(主催:一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD))※1において『ホームPDシステム かぐや』(以下『かぐや』)が医療福祉部門金賞を受賞したことを発表しました。

『かぐや』は、末期腎不全の治療選択肢である腹膜透析(Peritoneal Dialysis; PD)療法のひとつ、就寝時に腹膜透析液を交換するAPD(Automated Peritoneal Dialysis)のための自動腹膜灌流用装置です。日本の在宅透析治療上のニーズを満たすことを目的に日本の患者さんや医療従事者などの市場の声を集め、開発しました。

今回の受賞は、『かぐや』が、在宅で透析を行う患者さん自身や患者さんの介護者にとって高い水準のユーザビリティをもたらすデザインを採用していることが評価されました。さらに、『かぐや』の持つ視認性の高いタッチパネル、音声ガイダンスや、PD用治療計画プログラムであるソフトウェア『シェアソース』との連携によって可能になる医師による遠隔治療モニタリングと装置設定が、諸外国のみならず、日本においても30 年以上にわたり提供されている腹膜透析治療のさらなる質と認知度の向上につながり、患者さんと医療従事者の双方に寄与しうると評されました※2

受賞式に出席したバクスター シニアバイスプレジデント、APAC地域プレジデントのAndrew Frye(アンドリュー・フライ)は、「『かぐや』は日本の医療ニーズに応えるべくバクスターが日本市場のために開発した機器として、同国のAPD患者さんの社会参画や、ご家庭での役割の継続をサポートします。この点が評価されたことを非常に喜ばしく感じています。現在、末期腎不全の患者さんがご自分のライフスタイルに適した腎代替療法の選択を後押しすべく、医療制度の整備も進んでいます。バクスターはそれぞれの治療法へのアクセス向上に貢献すべく、今後もステークホルダーの皆様とともによりいっそうの腎代替療法の治療選択肢啓発に取り組んでまいります」とコメントしました。

※1IAUD国際デザイン賞について

一般財団法人 国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)は、「ユニヴァーサルデザイン(UD)の更なる普及と実現を通して、社会の健全な発展に貢献し、人類全体の福祉向上に寄与すること」を基本理念として活動しており、その活動の一環として、民族、文化、慣習、国籍、性別、年齢、能力等の違いによって、生活に不便さを感じることなく、"一人でも多くの人が快適で暮らしやすい" UD社会の実現に向けて、特に顕著な活動の実践や提案を行っている団体・個人を表彰する「IAUD国際デザイン賞」を実施しています。

※2IAUD国際デザイン賞 講評

審査員はこの応募作品を、患者と介護者の双方に高い水準のユーザビリティをもたらすグッドデザインとして称賛しました。
在宅腹膜透析は30 年にわたり提供されていますが、透析のニーズが高いにもかかわらず普及していません。この在宅治療システムでは消費者からの関心の薄さの問題に対し、音声ガイドや、視野狭窄・視力低下への配慮、遠隔監視、医療従事者へのライブアクセスからなる一連の強力な対策を提示しています。

腹膜透析について:

腹膜透析(Peritoneal Dialysis; PD)は、1982年に日本で承認された透析療法の選択肢のひとつで、患者さんがご自分のからだの腹膜で覆われている腹腔(ふくくう)と呼ばれる部分へ腹膜透析液を一定時間貯留後、排出することで血液中の老廃物や水分を除去する透析療法です。この透析には患者さんの就寝中に機械を使って腹膜透析液を自動的に交換するAPD(Automated Peritoneal Dialysis)および日中に数回透析液を交換するCAPD(Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)という方法があります。在宅で行うことのできる治療法で、普段の通院は月に1~2回程度であるため、治療をはじめる前の生活スタイルを比較的維持しやすい治療法だといわれています。

慢性腎臓病(腎不全)について:

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)は21世紀の国民病とも呼ばれており、日本で約1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)の患者さんがいると推計されていますi。慢性腎臓病は糖尿病、高血圧などの生活習慣病、慢性腎炎などさまざまな原因で慢性に経過するすべての腎臓病を指します。体調の変化に気をつけていても早期発見は難しいとされるこの病気は、腎機能が約15%以下まで低下すると末期腎不全と呼ばれる状態になり血液透析、腹膜透析もしくは腎移植の腎代替療法の検討が必要となりますii。日本では毎年約4万人近くの患者さんが末期腎不全によって血液透析、腹膜透析、腎移植の治療を新たに必要とされており、2016年末時点、全国で約33万人の透析患者さんがいると報告されていますiii
腎代替療法は病状や体調などの医学的な状況と生活スタイル、生活環境などの社会的な側面を踏まえ、患者さんがご家族や主治医とともに相談して決めることが大切です。

■バクスター株式会社について

バクスター株式会社は世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。腹膜透析、血液透析に関わる透析製品事業分野、吸入麻酔薬や急性血液浄化治療をはじめとするホスピタルプロダクト事業分野、局所止血材を中心としたアドバンスサージェリー事業分野を中心とした医薬品、医療機器のリーディングカンパニーとして、イノベーティブな製品とサービスを提供し、日本の医療現場に貢献してまいります。

http://www.baxter.co.jp/

■バクスターについて

バクスターは、「患者さんの生命を守る」という使命のもと、慢性腎不全のための透析治療、急性期治療、静脈内輸液、インフュージョンシステム、非経口栄養剤、吸入麻酔薬、ジェネリック注射剤、外科用止血材やシーラント製品からなる幅広いポートフォリオを世界中で提供しています。
バクスターの拠点と製品はその性質をもって新興国や先進国におけるヘルスケアへのアクセスを向上するうえで不可欠な役割を果たしています。
バクスターの従業員は医学を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、より良い患者ケアに寄与すべく次世代のヘルスケアイノベーションを推進しています。

https://www.baxter.com/

本件に関するお問合せ先

バクスター株式会社 コーポレートコミュニケーション部
03-6890-8744

i 平成23年度厚生労働省CKD の早期発見・予防・治療標準化・進展阻止に関する研究班
ii 一般社団法人 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012
iii 一般社団法人 日本透析医学会 2016「わが国の慢性透析療法の現況」(2016年12月31日現在)

ホームPDシステム かぐや:医療機器承認番号22800BZX00454000
シェアソース:医療機器承認番号22800BZX00345000